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水力発電による再生可能エネルギーの導入
綜研化学株式会社は、サステナビリティ経営の取り組みの一環として、再生可能エネルギー(以下、再エネ)電源由来の電気の導入を積極的に進めています。このたび当社は、中部電力ミライズ株式会社を通じて、静岡県浜松市にある「気田(けた)水力発電所」を活用したオフサイト型フィジカルPPA(Power Purchase Agreement)を導入いたしました。
本取り組みは、単なる再エネ電源由来の電気の導入にとどまらず、水力発電所のリプレース(設備更新)を通じて、持続可能な社会の実現を目指すものです。今回は「気田水力発電所」と本プロジェクトについてご紹介します。

気田水力発電所とPPAの仕組み
今回導入したのは、「オフサイト型フィジカルPPA(Power Purchase Agreement)」というサービスです。このサービスは、企業が自社の敷地外に設置された専用の再エネ電源で発電された電気を実際の送配電網を通じて受け取るとともに、その環境価値(再エネ由来であることを示す証明等)をセットで、長期にわたり直接購入する契約形態を指します。これにより、当社は再エネ電源由来の電気を安定的に調達でき、脱炭素経営を推進することが可能になります。
当社が今回契約したのは、静岡県浜松市天竜区に位置する「気田(けた)水力発電所」を活用したオフサイト型フィジカルPPAです。「気田水力発電所」は中部電力株式会社が保有・運営しており、1929年の運転開始以降、天竜川水系・気田川の豊かな水資源を活用して発電しています。100年近い歴史のあるこの発電所では、このたび、設備のリプレース(設備更新)が実施されました。当社が「気田水力発電所」由来の電気を選択し、中部電力ミライズ株式会社と長期契約を締結することで、発電事業者(中部電力)にとって安定的な事業運営を期待できるようになることから、今後の再エネの拡大やリプレース(設備更新)の支援につながります。

水力発電の安定性と持続可能性
水力発電は、自然の水の流れを利用して電力をうみだす、再エネの中でも特に安定性に優れた電源です。天候や時間帯に左右されることが少なく、昼夜を問わず安定した発電が可能であることが大きな特長です。また、発電時にCO₂を排出しないことに加え、適切な維持管理とリプレース(設備更新)を行うことで、長期にわたって活用できる持続可能な電源でもあります。一方で、水力発電は大規模に新規開発できる地点が限られています。そのため、既存設備の性能を向上させるリプレースや、長期的な活用を前提とした保守・更新が、重要になります。今回当社が契約したPPAにおいて活用する「気田水力発電所」は、1929年に運転を開始した歴史ある発電所であり、長年にわたり電力を供給してきましたが、このたび、設備のリプレース(設備更新)が行われ、発電能力の増強とともに、再び営業運転を開始しました。

水力発電の仕組み(流れ込み式)
水力発電は、水が高いところから低いところへ流れ落ちる力を利用して水車を回し、発電機によって電力をうみだしています。水の位置エネルギーや流れの運動エネルギーを電気に変換するため、発電時にCO₂を排出せず、環境に配慮した電源として知られています。気田水力発電所は「流れ込み式(水路式)」と呼ばれる方式を採用しています。流れ込み式は、川の流れをそのまま活かしたもので、大規模なダムを必要としないため、環境負荷が少ない点が特徴です。水をせき止める「えん堤」から取水し、山中に設けられた緩やかな傾斜の水路を通じて、水を発電所の水槽まで運びます。そこから、山際の大きな高低差を利用して水を落とし、その力で水車を回転させ、発電機に回転運動を伝えて電気を作り出します。この方式は、自然との共生を図りながら電力を供給できるという利点があります。

出典:中部電力ミライズ株式会社ホームページ
導入による効果
本取り組みにより、当社は気田水力発電所からの電力を、今後20年間にわたり安定的に調達することが可能となります。これにより、年間約704トンのCO₂排出量削減が見込まれ、2013年度比で国内全事業所の排出量の約10.4%に相当します。長期契約による再エネ電源由来の電気の安定調達は、当社のサステナビリティ経営の推進に寄与するものです。
当社は、今後も再エネ電源由来の電気の導入をはじめ、環境負荷低減に向けた取り組みを継続してまいります。持続可能性と信頼性を重視したエネルギー選択を通じて、ステークホルダーの皆さまとともに、より良い未来の創造を目指します。